旅の空

バリ島 2018

3

ニュークニン

3日目の朝

中庭の観葉植物の葉が濡れているところを見ると、夜から朝にかけてまた雨が降ったようだ。でも、葉の間から陽が差し込んでおり、一面に雲がかかっているものの空は明るい。今日の天気は期待できそうだ。

ニュークニン Nyuh Kuningニュークニン Nyuh Kuning

朝食は部屋で取ることもできたが、毎朝、別棟の2階にあるレストランで用意してもらった。ヴィラの宿泊料金には朝食代が含まれているが、朝食の量があまりに少なすぎた。僕は毎日、薄くて小さなパン2枚をもう1セット、カットフルーツかフルーツジュースのどちらか一つを選ぶところを両方とも、エクストラメニューで追加していた。

ヴィラのすぐ横の田んぼでは朝早くから農家の人たちが田植えに精を出している。8月になって田植えをしているのは、インドネシアでは年に3回、米が収穫できるからだ。何やら楽し気な掛け合いを聞きながら、他に誰もいないレストランでゆっくりと朝食をとる。

ニュークニン Nyuh Kuningニュークニン Nyuh Kuning

反対側の田んぼでは別の農家の人が畦の手入れをしていた。こちらの田植えはもう少し先のようだ。水田にヤシの木の取り合わせがバリ島らしくていい。

ヴィラの周囲は徐々にではあるが、田んぼを潰して家が建ちつつある。おそらくこのヴィラもそうして建ったのだろう。ヴィラのウェブサイトに載っている写真とは風景が違ってきているように感じた。この現状を将来にわたって保てるだろうか。

ニュークニン Nyuh Kuning

今日は昼からガイド付きのチャーター車を頼んである。それまではヴィラの近くをそぞろ歩くことにした。

ニュークニン  Nyuh Kuning

ヴィラを出て、通りにつながる細い小路を歩く。道の途中で鮮やかなハイビスカスの花が咲いていたことに昨日は気づかなかった。すれ違った地元の人にインドネシア語で「おはようございます」を言ったら笑顔で挨拶を返してくれた。降り注ぐ日差しに心が躍る。

ニュークニン Nyuh Kuningニュークニン Nyuh Kuning

ニュークニンは通りの両側に同じ種類の並木が植えられ、景観にまとまりがある。また、通りに面した伝統的な造りの家々はみな立派な門構えをしていて、家々の庭も様々な花や植物であふれている。

ニュークニン Nyuh Kuningニュークニン Nyuh Kuning

この日もバロンにお参りをした。毎日ここを通るうち、このバロンを目当てにニュークニンの宿を選んだかのように思えてくる。

ニュークニン Nyuh Kuningニュークニン Nyuh Kuning

青空の下で改めて見ると見違えるように美しい村だ。

ニュークニン Nyuh Kuning

陽射しがかなり強くなってきた。ココナッツジュースの看板を目にして通り沿いのカフェに入り、一休みする。ココナッツの実に穴をあけてそのままストローを差しただけのジュースだ。意外に汁が多くてまるごと1個は飲みきれなかった。

ニュークニン Nyuh Kuningニュークニン Nyuh Kuning

村の中心にある芝生の広場に太い竹の棒が立っていて、その先にインドネシアの大きな国旗が風になびいていた。今日はインドネシアの建国記念日なのだ。青い空に旗の赤と白が映える。ふと見ると、見慣れぬ形の物体が空に浮かんでいる。一瞬、UFOかと思ったが、よく見ると巨大な凧だった。

ニュークニン Nyuh Kuning

通りから奥へ続く小路へいくつか入ってみた。ヴィラから見えた田んぼの近くへ行ってみようと思ったのだ。しかし、どの道も裕福そうな家の敷地で行き止まり。あの田んぼへ通じる道は見つけられなかった。

ニュークニン Nyuh Kuningニュークニン Nyuh Kuning

小路には色鮮やかな花が咲き乱れていた。陽の光を浴びて、あらゆる植物が輝き始める。

ニュークニン Nyuh Kuningニュークニン Nyuh Kuning
ロカパラヴィラ  Loka Pala Villa

正午近くになったので、一旦、ヴィラに戻る。迎えはヴィラのロビーまで来ることになっている。

フロントから部屋へ向かう途中にガネーシャの石像がある。像の周りに植えられた変わった色と形の様々な観葉植物が生き生きとして見える。曇っていた朝とは眺めが一変していて目を見張った。

ロカパラヴィラ|Loka Pala Villa

強い陽射しで中庭に植えられた南国の木々が濃い日陰を作る。こういう庭が見たくてバリ島にまた来たのかもしれない。

ロカパラヴィラ Loka Pala Villa

このヴィラで最も眺めの良い場所であるレストランにも行ってみる。ヤシの葉や水田の緑が青空の下でくっきりと見える。

ロカパラヴィラ Loka Pala Villa

暑くなって仕事を終えたのか、朝、畦の手入れをしていた男性の姿は見えなかった。