ペトラ Petra
ペトラとは、紀元前6世紀にアラビア半島から移住したナバテア人が、岩山を削って築いたナバテア王国の都である。元々、遊牧民であったナバテア人は、シルクロードの要衝であるこのペトラを拠点にして隊商交易に従事し、大いに栄えたという。
このナバテア人というのが、どうも掴みどころのない民族である。アラビア半島が起源で、ナバテア語というアラビア語の近縁言語を話したというから、アラブ人やベドウィンの先祖なのかと思ってガイドに聞いてみたのだが、直接の繋がりはないようだった。
ナバテア人はドゥシャラという神を信仰していたが、文化的にはヘレニズムの影響を受けている。また、ローマの支配を受けたこともあって、ペトラにはギリシア、ローマ風の建造物が多く見られるのである。