イランの旅 2009
8
ペルセポリス
ペルセポリス ~4 Persepolis, Takht-e Jamshid
ラーネイェ・ターヴースでの昼食から戻って見学再開する。午後は、まるまるペルセポリス観光である。
無数に転がる基石や柱頭を見ていると、それを造った石工たちの素晴らしい技術と芸術的センスの高さが感じられる。
ペルセポリス ~5 Persepolis, Takht-e Jamshid
謁見の間、アパダーナへと続く東階段には、アケメネス朝が支配した様々な地域から朝貢にやって来る民族を描いた壮大なレリーフが刻まれている。5年前に来たときは、あちらこちらで人だかりができて、思うように観賞できなかったものだが、今回はラマダンのおかげか、ほぼ独占状態であった。
アパダーナ(謁見の間)に置いてあるライオンの柱飾りも迫力があって素晴らしい。こんな大きくて重いものが、高さ20mの柱の上に乗っていたというのは信じられない気もするが。
それにしても、ライオンといい、牡牛といい、かつて、宮殿の柱という柱を飾っていたはずの無数の像は、一体、どこへ消えてしまったのか。
ペルセポリス ~6 Persepolis, Takht-e Jamshid
ダレイオス1世の私的な宮殿といわれるタチャラ。5年前は中に入ることができたのに、このときは立入禁止になっていて、がっかりである。
ペルセポリス ~7 Persepolis, Takht-e Jamshid
ペルセポリスの背後にそびえるラハマット山には、岩山をくり抜いて造った2つの王墓がある。5年前、時間が足りなくて行けなかった場所だ。まず、向かって左側のアルタクセルクセス2世王墓へ。
墓には、階段ピラミッドのような4段の基壇があるのだが、日本の城の石垣を思わせる、自然の形を生かした見事な石積みだ。
王墓のテラスから、眼下にペルセポリスを一望できる。5年前は、ここに上った人から感想を聞くだけだったが、聞いていたとおり、素晴らしい眺めだった。
それにしても、岩山をこれだけ深く抉り取るのは、とてつもない労力だったに違いない。
岩壁に刻まれたレリーフの図式はナグシェ・ロスタムの王墓と同じだが、こちらの方が保存状態が良い上に、より間近に見ることができる。しばし佇んで、見事なレリーフと眼下に広がる大宮殿を眺めていた。
反対側にある王墓は、アルタクセルクセス3世のものだが、保存状態が非常に良い2世王墓とは対照的に、損傷がひどい。
何に使ったものか、墓の前方に石をくり抜いて作った浴槽のようなものが転がっていた。
再びコーラン門へ Darvaze-ye Qor'an
ペルセポリスにはかれこれ5時間もいた。ガイドの説明付きで2時間、自由時間で3時間だ。2時間話し続けたスィヤーヴァシーも大したやつである。
自分にとって、ペルセポリスほどの感動を与えてくれた世界遺産は今までになかったし、これからもたぶんないと思う。
ペルセポリスからの帰り道、5年前もそうしたように、夕暮れ時のコーラン門へ寄ってみた。
何かが足りない気がする。でも、それは、ラマダンで人出が少ないせいだけではなかった。
和気藹々としたツアーメンバーと一緒だった5年前…。ペルセポリスに何時間でもいられる一人旅の自由気ままさは、一抹の淋しさと引き換えだった。